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人工石:ポリストーン
国宝、奈良時代/興福寺所蔵
八部衆に属す仏教守護神。修羅ともいう。
哀愁の守護神 阿修羅
娘を奪われたことに怒り帝釈天と止むことのない戦いを続けていた阿修羅ですが、釈迦の説法を聞いて仏法に帰依し、仏法を守る守護神となりました。釈迦如来を守る八部衆のほか、千手観音を守る二十八部衆にも取り入れられています。
争いの絶えない世界「修羅道」を司ることから通常怒りの表情で表わされることが多いのですが、光明皇后が造らせたというこのモデル像は、憂いを帯び、どこか少年のようなあどけなさを感じさせます。三つの面はすべて表情が違い、向かって左、右、正面の順に成長する過程であるとも言われています。
「天平の美少年」とも呼ばれる表情と、八頭身のすらりとした体躯のバランスが人気の阿修羅。三面六臂という異形の姿でありながら不思議なほどまとまりのある造型は、仏教美術が花開いた天平時代においても突出した美しさを誇ります。